先日のブログ内容でもお話しした通り、
行政刷新会議が行われていますが、その詳細が少し分かりました。
2009年11月12日 共同通信社より引用・健康増進対策費(地域健康づくり推進対策費)食生活改善の啓発活動で、厚労省は1億8600万円を要求していました。
これに対して仕分け人からは、
「国は情報提供だけで足りる」
「農水省の事業と重複している」
と、必要性を疑問視する意見が相次いだようです。
13人中8人が廃止、5人が自治体や民間への委託を選び、判定は廃止。私ども薬剤師は地域の健康啓発活動などで医師会、歯科医師会、看護師会
栄養士さんなどと一緒に活動する事が多く、最近では、
「早寝、早起き、朝ご飯」を健康生活目標として活動しています。
この予算要求はこれらの啓発活動に関する予算ですね。
農水省管轄のこの手の推進事業が
実際にどれぐらい行われているか知りませんが、
健康増進のための食生活改善活動であるので、
どちらかと言えば厚労省管轄だと思うんですが。・・・どうでしょう?
・レセプトオンライン導入のための機器整備等の補助厚労省は要求額215億円を151億円に減額する方針を表明。
しかし、仕分け人から
「所得が高い開業医に補助する必要はない」
という指摘が続出。
13人中7人が10年度予算への計上見送り、
5人が廃止、1人が民間委託との意見。判定は、来年度予算の計上見送り。ま、これは仕方ないでしょうね。
厚労省も予算要求を半額近くにまで絞ったも関わらず、一蹴されてます。
最近はパソコンもインターネットへの常時接続も安くなりましたしね。
開業医さんは経費で落とすしか無いでしょう。
数年前まで実施されていたIT設備投資枠が広げられていた時期に
導入していたかどうかが明暗を分けましたね。
病院経営にも会社経営と同じように先を見据えた設備投資が必要です。
・診療報酬の配分(勤務医対策等)「小児科など医師が必要な診療科に報酬を重点配分すべきだ」
「厚労省のこれまでの価格設定は失敗」
と指摘。16人全員が配分の見直しが必要と判定。
開業医と病院勤務医の収入格差の平準化や、
整形外科や眼科など収入の高い診療科の報酬引き下げなどを求める。そうですね、小児科や産科に配分を高くするのは評価できます。
どうあがいてもあと20年ほどで団塊の世代が死んでしまうので
日本の人口はものすごく減ります。
国家経済の根幹は人口ですので、この領域に重点を置く国策は評価できます。
さて、整形外科と眼科がどうやら敵視されてるみたいですね。
眼科は数年前に白内障の手術報酬点数がびっくりするぐらい引き下げられたので
眼科開業医で白内障手術をする医院は結構減ったのではないかと思われます。
ましてや新規開業の眼科医はまず手術を行わないでしょう。
それから、コンタクトレンズ屋が併設してある眼科にも
報酬点数の圧縮政策が行われ、繁華街の眼科医も
かなりの痛手を被った過去があります。
これに加えて今回のこの発言。・・・どんだけ眼科医が嫌いなのかと。
また、整形外科もいわれていますが、整形外科は主にリハビリが主体の分野です。
その分、充実した設備と人員を整えると、結構な経営負担になります。
リハビリをする器具、レントゲン、作業療法士、理学療法士、看護師などなど。
これだけを賄うにはそれ相応の報酬が必要です。
国民の皆さん、これらの予算が圧縮されると最悪の場合、
医療の質がとことんまで落ちます。だって人を雇えないんですもの。
救急車のたらい回し死亡事件の原因が何か御存知ですか?
「絶対的な人員不足」なんですよ。
ボランティアで医療が出来るほどこの国の給料は高くないんです。
身内に医療関係者がいる方なら分かってくれるとは思います。
仕分け人の皆さん、今度はあなたがたらい回しに遭う番かもしれませんよ。
・後発品のある先発品などの薬価の見直し主成分が同じで安価な後発薬(ジェネリック医薬品)がある先発医薬品について、
後発薬並みの薬価水準まで引き下げるかどうかを議論。厚労省は、
「国内メーカーの開発意欲をそぐ恐れもある」
と主張。15人全員一致で、一層の引き下げを必要との意見。判定は見直し。はい、来ましたね。
この議論は私ども薬剤師の中でも話には上がっていました。
なぜ、先発医薬品メーカーの薬が特許が切れた時に
後発医薬品並みに薬価が下がらないのか。
厚労省の方がおっしゃってましたが、
「MRの人件費」これに尽きるそうです。
確かに、後発品メーカーはほとんどプレゼンに来ません。
副作用情報も郵送だけです。人員が少ないので仕方ない事なのです。
薬局側もその辺は百も承知です。だから安いんですから。
正直、大手製薬メーカーの人件費は高すぎます。
一昔前の公務員以上の給与をもらっていたりします。
もうちょっと人員削減して簡素化して研究開発費の方へ
力を入れてもらっても良いのではないか?とは思います。
その方が株主からも喜ばれ、株価も上がるでしょう。
・医療関係の適正化・効率化医療機関や薬局に支払われる診療報酬の不正を
チェックする厚労省の外郭団体
「社会保険診療報酬支払基金」
「国民健康保険団体連合会」
を統合すべきだとの意見。判定は見直し。
入院時の食費・居住費も見直しと判定、
「療養病床に比べ、一般病床の患者の自己負担は低い」
と患者負担増につながる意見も。
また、整骨院など柔道整復師の報酬請求の一部ケースで減額を求める。私ども健康保険を扱う業種はその報酬を得るために
上記2機関、通称「保険者」といわれる支払基金にレセプトという明細書を送って
それに基づいて支払をしてもらいます。
この統合は何を意味するのかというと、
その支払基金に勤務している人員を削減するのが目的です。
いまでもそうですが、このレセプトというもの、
「紙」で出力しますので、毎月ちょっとした辞書なみの分厚さの書類を提出します。
全部が全部チェックしていないにしろ、ある程度は職員さんが手作業でチェックします。
そうです、これ、気が遠くなるような作業です。
なので、レセプトの保険番号間違えなどで返戻されるのも、
3ヶ月前の事案が電話で連絡される事もあります。
支払基金様、お疲れさまです。
で、あるならばですよ、
このレセプトを完全オンライン化すれば人員は少なく出来ますよね?
機械読み取り式にして、エラーを弾くようにすれば、
職員さんはそのエラーだけを見て処理すれば良い事になりますよね?
そっちの方の対策が先ではないかと思うんですよ。
ちょっと話はそれますが、
まだ構想段階ですが、いま、サラリーマンや公務員の保険証が
個人個人のカードタイプの物に変わってきていると思いますが、
このカード自体にその人の個人情報を入れて、
医療機関でカードリーダーに通せば通院記録や併用薬などを
分かるようにしようという構想があります。
IT化が進めばそう言う時代がくるかもしれません。
ただ、落とすと大変な事になりますけどね。
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