日没まもない時刻、電話が鳴りました。
( ゚Д゚)「薬局ですか?今日貰った薬が無いんですけど・・」
(´(・)`)「あれ?確かにお渡しした記憶があるんですけどね?」
( ゚Д゚)「でも無いんですよ。手元にあるのは・・○○と△△なんですが」
(´(・)`)「ちょっと待って下さいね(薬歴を見る)」
「・・それ、8月の薬じゃないですか?」
「薬の袋の下側に日付打ってませんか?」
( ゚Д゚)「待って下さいね。・・・薬には○○と△△と書いてます。」
(´(・)`)「いや、薬の袋に日付打ってませんか?8月ってなってませんか?」
( ゚Д゚)「ちょと待って下さいね・・・もしもし?薬には○○と△△って書いてます」
(´(・)`)「(本格的に来ましたな)」
「分りました。とりあえずご自宅に行きます。ご主人さんは居られますか?」
( ゚Д゚)「はい、居ります・・・」電話をかけて来たのは大正15年生まれ。83歳になる女性の方からです。
一緒に住んでおられるのはご主人で大正14年生まれの84歳。
ご夫婦で暮らしておられます。
このご夫婦はクマが当薬局に就職してからはずっと顔なじみで、
かれこれ10年近くお薬を出させていただいてます。
今年半ばから、どうも奥さんの様子がおかしくなり始めていました。
お薬の使い方などの説明をしても、
なかなか理解してくれないようになっていたのです。
ご主人さんの方はしっかりとされていて、
逆に84歳とは思えないぐらい背筋も伸びて几帳面な感じの方です。
クマがおかしいなと感じ始めてからその1ヶ月後ぐらいには
奥さんの歩き方がおかしくなって来ていました。
ゼンマイ式の人形のようにトットットットと歩くようになっていたのです。
認知症に見られる典型的な歩き方です。
おかしいと感じ始めてからすぐにご主人に
一度専門の病院で見てもらった方がいいですよと
話しをさせてもらいまして、病院で治療中でした。
そして、この日の電話を機に、
認知症ががさらに進行している事を確信しました。
来局当日は、ご夫婦で来られていまして、
確実に薬は渡しています。
今回はそれが心配でご自宅へ向かおうとした訳ではありません。
ご主人さんが心配になったのです。二人暮らしの老夫婦。
奥さんは認知症。
ご主人は几帳面な性格。ご主人の精神的な疲労が溜まってなかろうか?
何か施設とか介護ヘルパーとかの話は聞いた事があるだろうか?
なにか手助けできる事は無いのか?
という思いでとりあえず向かったのです━━━。
第2話につづく。
書く事が多過ぎるので、
何回かに分けます。
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