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前回の続きになります。


原付を飛ばして一路、電話を頂いた老夫婦が住む家に向かいます。
夕暮れを過ぎて辺りは暗くなりかけていました。

到着。

クマ(´(・)`)「こんばんは」

奥さん( ゚Д゚)「どうも、わざわざすみません」

(´(・)`)「いえいえ良いんですよ」


玄関先には既に手持ちの薬が並べておいてありました。
どれもその日に渡した薬ではありません。

(´(・)`)「手持ちの薬はこれで全部ですか?」

( ゚Д゚)「はい、これで全部です」

(´(・)`)「そうですねー、これが入っていた薬の袋はありませんか?」

( ゚Д゚)「ちょっと待ってくださいね」


廊下を戻って台所兼食卓へ向かう奥さん。
戻る際の歩き方は認知症特有の歩き方です。

( ゚Д゚)「これですかね」

(´(・)`)「はいはい。・・・やっぱりこれ、8月って書いてますねぇ」

( ゚Д゚)「これに入ってたんですよ」

(´(・)`)「そうでしょうね・・。」「本当にもう無いですか?」

( ゚Д゚)「ちょっと待ってくださいね」


また戻って何やらご主人に話しかけています。
うっすら漏れ聞こえたのは、

( ゚Д゚)「お父さん、薬知らない?」

ご主人(#゚Д゚) 「あ?知らんわな!お前がどこかやしたんじゃろが!」


とかいう会話でした。
もう、ご主人愛想つかしてる感じです。

(#゚Д゚) 「薬屋さん来とるんか?」

( ゚Д゚)「ええ、来とりますよ」


ここで奥からご主人登場。
玄関先で正座して挨拶してくれました。
やはり几帳面な方です。

ご主人(´-ω-`)「もう本当にわざわざ済みません」
    「今日は一緒に私も行ったのでよく覚えています」
    「薬は確かに貰ったはずです。これがどこかに置き忘れてるんでしょう」
    「多分出てくると思いますから」


ご主人さんは、その日渡した薬の説明書を持っていました。
間違いなく渡しているという事です。

(´(・)`)「ええ、そうだと思います」

(´-ω-`)「もう本当にボケてしもうてからに・・お恥ずかしい」

( ゚Д゚)「ところで、薬屋さん、電話番号が変わったの?」

(´(・)`)「は? 変わってませんよ?」

( ゚Д゚)「なんか、医院さんに電話したら
    番号が変わったとか言われたもんですから」

(´(・)`)「いえ、さっき電話してきた番号で変わりないですよ」

( ゚Д゚)「・・・・・」

(´-ω-`)「・・・・・」

(´(・)`)「・・・・・」


ご主人と目を見合わせて、お互い困ったなぁという表情になりました。


次回へつづく。



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日没まもない時刻、電話が鳴りました。

( ゚Д゚)「薬局ですか?今日貰った薬が無いんですけど・・」

(´(・)`)「あれ?確かにお渡しした記憶があるんですけどね?」

( ゚Д゚)「でも無いんですよ。手元にあるのは・・○○と△△なんですが」

(´(・)`)「ちょっと待って下さいね(薬歴を見る)」
   「・・それ、8月の薬じゃないですか?」
   「薬の袋の下側に日付打ってませんか?」

( ゚Д゚)「待って下さいね。・・・薬には○○と△△と書いてます。」

(´(・)`)「いや、薬の袋に日付打ってませんか?8月ってなってませんか?」

( ゚Д゚)「ちょと待って下さいね・・・もしもし?薬には○○と△△って書いてます」

(´(・)`)「(本格的に来ましたな)」
   「分りました。とりあえずご自宅に行きます。ご主人さんは居られますか?」

( ゚Д゚)「はい、居ります・・・」



電話をかけて来たのは大正15年生まれ。83歳になる女性の方からです。
一緒に住んでおられるのはご主人で大正14年生まれの84歳。
ご夫婦で暮らしておられます。

このご夫婦はクマが当薬局に就職してからはずっと顔なじみで、
かれこれ10年近くお薬を出させていただいてます。

今年半ばから、どうも奥さんの様子がおかしくなり始めていました。
お薬の使い方などの説明をしても、
なかなか理解してくれないようになっていたのです。

ご主人さんの方はしっかりとされていて、
逆に84歳とは思えないぐらい背筋も伸びて几帳面な感じの方です。

クマがおかしいなと感じ始めてからその1ヶ月後ぐらいには
奥さんの歩き方がおかしくなって来ていました。
ゼンマイ式の人形のようにトットットットと歩くようになっていたのです。
認知症に見られる典型的な歩き方です。

おかしいと感じ始めてからすぐにご主人に
一度専門の病院で見てもらった方がいいですよと
話しをさせてもらいまして、病院で治療中でした。


そして、この日の電話を機に、
認知症ががさらに進行している事を確信しました。

来局当日は、ご夫婦で来られていまして、
確実に薬は渡しています。
今回はそれが心配でご自宅へ向かおうとした訳ではありません。

ご主人さんが心配になったのです。

二人暮らしの老夫婦。
奥さんは認知症。
ご主人は几帳面な性格。


ご主人の精神的な疲労が溜まってなかろうか?
何か施設とか介護ヘルパーとかの話は聞いた事があるだろうか?
なにか手助けできる事は無いのか?
という思いでとりあえず向かったのです━━━。


第2話につづく。

書く事が多過ぎるので、
何回かに分けます。


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うちの薬局には近隣診療科の影響を受けて
様々な年齢層の患者さんが来られます。

上は大正一桁から平成まで。
ありとあらゆる人間模様を背負った人たちがやってきます。

そして、今日は顔なじみのある患者さんが来られました。
その方は大正10年生まれ。西暦1921年です。
ちょっと調べてみますと、日本でメートル法が公布された年だとか。

90年弱で日本の化学分野は相当に発展しました。
それだけの時間が流れたという事を実感します。

敬意を込めて敢えてその方を
爺さまと呼ばせてもらいますが、

爺さまは、とても小さくて、優しい背中で、
曇り無い瞳で薬局にやってきます。
物腰も柔らかく、とてもかわいらしい人です。

普段はあまり話をしないのですが、
あまり話をしなくても分ってくれている感じの空気をもった爺さま
なのですが、今日は仕事が暇だったという事もあって少し話をしました。

(´(・)`)クマ
「大正10年なんですね」

(・∀・)爺
「ああ、なんとか生きながらえされてもらっとります」

(´(・)`)
「いや〜同世代では達者だと思いますよ」

(・∀・)
「まあ、それなりに年はとっておりますわいな」
「これでも昔は太平洋で1週間ほど漂流したことがありますですじゃ」

(´(・)`)
「ほほう。それはすごいですね!海の男だったんですね」

(・∀・)
「そうじゃな、ずっと海と一緒に生きておったわな

(´(・)`)
「・・・(カコイイ)」


いや、大正10年の爺さまにこんな事言われたら
そりゃ重みが半端ないですよ。

青春時代を大戦で犠牲にされた人生だったでしょうが、
その心はいつも私たち後世に優しいまなざしを向けてくれています。

目を見ればわかります。

爺さま、今度は私たちが頑張ります。
爺さまみたいな立派な人間になれるように精進します。

またその背中で教えて下さいね。



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