20年前のバブル崩壊によって現在、日本の人口は減少の一途です。
団塊Jr世代が子供を産めない状況に立たされ、
年齢的にも、もう出産適齢期を過ぎようとしています。
団塊世代がおよそ60歳として、これら団塊世代が死亡するであろう
20年以内に日本の人口は激減します。
それまでの間に浮き彫りになるのが
「老老介護」核家族化が当たり前になっている現代において
避けては通れない現実です。
国は、医療保険の財源が無い事を理由に
高齢者の医療保険の給付年齢を年々上げて行き、
年金の給付年齢も上げている状況です。
この団塊世代が半数近く減るまでの時間稼ぎだとも考えられます。
団塊世代の半減が早いか、国庫金の底が尽きるが早いか。
これからの医療は問題が山積です。
薬剤師という仕事をしていて、日々患者さんと色々話をさせて頂きますが、
自力で病院へ通院できる人はまだ大丈夫な方ですので、
早急に問題になるような事もない方が多いのですが、
皆さん一様に、自分がもし歩けなくなったら?とか、
ボケてしまったら?とかを考えると心配だ。という話をよくします。
その時、私はひとりの薬剤師ではなく、
今を生きる一人の人間として、
自分よりも50年近く年上の先輩の話を聞いているという感覚になります。
自分も50年先にはこのような問題に直面するのだと。ある、昭和元年生まれの女性の患者さんと話をしていた時の事です。
その方は、話が面白くて、
いつも薬を渡しながら楽しいひとときを過ごさせて頂いてます。
( ゚Д゚)「この間、大学病院に行ったら病気が見つかってなぁ」
(´(・)`)「ほほう」
( ゚Д゚)「大した病気じゃないんじゃけど、
先生がこれは絶対手術した方がいいって言うんじゃわ」
(´(・)`)「なるほど。で、しないんですか?」
( ゚Д゚)「もうええ年じゃし、手術は嫌やわ」
(´(・)`)「まあ、そうですわね」
( ゚Д゚)「その先生が、若くてな、なんかもう凄い説得するんよ。
もうこれだけ生きたら十分じゃて言うたんじゃけどなぁ」
(´(・)`)「○○さんらしいですね」
( ゚Д゚)「こんな年になってしもうとんじゃから、無理に生きんでもええわ
ポックリと楽に死にたいわ」
(´(・)`)「そうですねぇ」そして、衝撃のひとことを言います。
( ゚Д゚)「長生きするのが人生じゃないわな。こんな事を言うたらアレじゃけど、
あの先生、まだ青いわ。長生き至上主義みたいな事を言うておったからのう」人は年を取ります。
それは避けられない事実です。
そして、寿命の長さなど分かるはずもありませんが、
日々生きて行きます。人生という時間の間にいろんな事を考えながら。
自分の人生の意味は?
人生の中で何か成し遂げたか?
いつ死んでも良いように日々を送っているか?自分の目の前にいる50年先輩と一緒に人生について考えます。
時代背景や世代などという時間を飛び越えて
人間とはどうあるべきかを共に考えます。
この瞬間、私は薬剤師である事に感謝します。どんな時代でも、どんな状況でも時を超えて伝えるべき事は何か。
人生の意義とは何なのか?次の世代へ伝えるべき事は何か。
自分の短い人生の時間では思いもつかないような考えを
目の前の先輩から吸収して行きます。
患者さんとこんな出会いを繰り返して行くうちに
人生への考えかたが少しずつ形を成してきました。
それは、
「
尊厳ある人間らしく一生を終える」
という事が幸せなのではないかと思うようになってきたのです。
そう、「
尊厳死」です。
日本の医療は国民皆保険制度のもと、
誰しもが安心して医療を受けられるように制度化されています。
医療界において日本は最強の共産主義成功例とも言えるでしょう。
そんな日本ではまだ尊厳死についての議論が成熟していません。
自分の死というものを自分で決めるということに
この国はまだ時間を要するようです。
老老介護がもたらす不幸を解決するには
この尊厳死という物も選択肢の1つに入るのではないでしょうか。
私自身、これからの人生でいろんな経験をして行くうちに
考えがまた変わって行くかとは思いますが、
人間が人間らしく生きて行くという事は、
人間らしく死を迎えるという事でもあると思います。
皆さんはどう思われますか?
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