先日、うちの薬局に来られた患者さんからの質問です。
「
レントゲンを撮りすぎたらよくないの?」というものでした。
今回はこの件について調べてみましたので、
解説して行きたいと思います。
放射線の量を示す単位としては、
mSV(ミリシーベルト)というものを使います。
一般的に、人体に影響がでる放射線被爆の量は、
200mSVと言われています。
原子力発電所などの事故で、致命的な障害を起こしたような被曝量としては、
数千から1万mSVのケースが報告されているそうです。
では、病院での検査はというと・・・
胸のレントゲン撮影では、0.05mSV。
胃のバリウム検査では、2.0mSV。
頭部のCTでは0.5mSV、
胸部のCTでも7.0mSVといったところです。
また、当然なのですが、自然界からも放射線を浴びているのですが、
その平均が
年間2.4mSVだそうです。
このように、レントゲンやCTなどの検査で被爆する線量は、
健康に影響を及ぼす可能性の線量と比較すると極めて小さいと言えます。
でも、確かにむやみやたらにX線検査を受けるべきではありません。
これは、クマが薬学部の学生時代、放射線化学で先生から習った事なのですが、
先生曰く、
「放射線というものは、正直まだ不明な点が多い。しかし、ラドン温泉治療とか言うように、ごく微弱な放射線を浴びる事は健康に良いかも知れないという研究も何十年も前から行われています。とにかくよく分かっていないのです。私達が放射線を必要以上に浴びないように制限しているのは、つまり、"よくわからない物は取り敢えず必要以上に浴びない方が良い”という方針だからです。」だそうです。
放射化学は個人的に好きな教科でしたので、
この時のお話は今でもしっかり覚えています。
というわけで、皆さん、
「
レントゲン検査は安全です」という事がお分かり頂けたでしょうか。
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