今回は久々に患者さんとのお話を紹介します。
80代のおばあちゃんです。
80にしては結構しっかりしていて細身の方です。
その患者さんは久々の来局。
1年半ぶりぐらいです。
(´(・)`)「お久しぶりですね」
(・∀・)「そうね。最近は風がキツかったりで目が痒いのよ」
(´(・)`)「ああ、黄砂とか飛んでましたもんね」
(・∀・)「もう目がカサついてね」
(´(・)`)「僕もですよ。ところでご家族の皆さん元気にしてますか?」
( ゚Д゚)「あのね、この2月に長男が亡くなったの。59歳で」
(´(・)`)「あらら。なんでまた?」
( ゚Д゚)「心筋梗塞?とかでね。亡くなる前にうちに来ててね、
母さん、なんかしんどいから背中をさすってよ。って言うもんだから
さすってたの。そしたら動かなくなっちゃって。
救急で病院に行ったけどもうダメだった」
(´(・)`)「ほう」
(´;ω;`)「なんかね、まだそれが辛くてね」
(´(・)`)「そうですよね、時間がかかりますよね」
(´;ω;`)「あまり長生きしたくないね・・・」
(´(・)`)「・・・・」と、こんな会話でした。
人間は生まれたのであれば確実に死にます。
早いか遅いかは分かりません。
がしかし、基本的に親より先に死ぬ事は通常ありません。
この長寿国日本ではその不幸が多々起きています。
子供を持つ親になってから改めて感じるのですが、
子供は親より絶対に先に死んではいけません。
これほど辛い事は無いです。
ましてや事故とかそういった類いの物でなく、
病という物が原因ならばなおさらです。
クマの親父はクマが大学3年生の時に亡くなりました。
一生に一度だけしか出来ない「親の死」というものを
親父はちゃんと教えてくれました。
クマも我が子にはしっかりと
「人が死ぬという事、親がいなくなるという事」を
自分の人生の集大成として最期に伝えたいと切に願っています。
長生きする事が絶対に幸せとは限りません。
人生をどう生きるか、どう生きたか、何を伝えられたか。
世界有数の長寿国で今日も新たな不幸が起こっています。
この国は人生の価値観を考え直す時期に来ているのかも知れません。
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